男子グレコローマン60キロ級で宿命のライバル対決最終決戦の舞台が整った。

リオデジャネイロ五輪銀メダリストの太田忍(25=ALSOK)と17年世界選手権金メダリストの文田健一郎(23=ミキハウス)がともに2試合を勝ち抜いて決勝進出。

日体大出身の先輩後輩、練習拠点も同じにする2人が16日に雌雄を決することになった。

太田は「減量がある。体がつらないうちに試合を終わらせた」と、初戦、準決勝ともに得意のがぶり返しなど大技連発。第1ピリオドで試合を終わらせ、「これから明日に向けて4キロ落とさなきゃいけないので、(取材)時間短めで。30分くらいで良いですか?」と冗談も飛び出る好調具合。文田戦へ、「間違いなくボコボコに勝つと思います」と息巻いた。

文田は減量法に試行錯誤しており、「良い形でできている」と手応えあり。初戦から反り投げなどを重ねて、2試合ともテクニカルフォール勝ちを収めた。「忍先輩にきっちり勝って、つなげたい」と意気込んだ。

昨年の全日本選手権を制した文田が優勝すれば、世界選手権(9月、カザフスタン)の代表に決定。太田が勝った場合は、7月6日にプレーオフが行われる。世界選手権で表彰台に上がれば東京五輪の出場が決まる。両者ともに実力を考えれば、勝ち抜いた方が五輪切符を手にする可能性が高い。過去の通算成績は文田の5勝4敗となっている。