錦織、全権エース就任へ。男子テニスで、ツアーを管轄するATP(男子プロテニス協会)は、20年1月に始まる国別対抗戦ATPカップの詳細を、ウィンブルドン期間中に公表した。それによると、キャプテンを各国のエースが指名でき、もちろん選手兼任も可能だ。日本はエースで世界7位の錦織圭(29=日清食品)に全権がゆだねられる。

ATPカップは、20年から始まる国別対抗戦だ。1月3~12日の期間に、オーストラリアのシドニー、ブリスベン、パースの3都市で行われる。出場全24カ国を、1組4カ国の6組に分け、各組総当たり戦を行う。各組最上位6カ国と、続く上位2カ国の8カ国が準々決勝に進み、トーナメント方式で優勝を争う。

男子テニスの国別対抗戦には、100年以上の歴史を誇るデビス杯がある。大きな違いは、ATPカップは世界ランキングの得点が獲得でき、個人に賞金が出ることだ。獲得できる得点は倒した相手のランクにより変動する。

総当たり戦では、1~10位に勝った選手には75点、11~20位に勝った選手には65点が与えられる。決勝で1~10位の選手に勝つと250点がもらえる。最大750点を稼げる計算で、4大大会ベスト4の720点より多い。

錦織は、今年の個人戦だったブリスベン国際に優勝。250点を稼いだ。来年、ATPカップで、同得点以上を稼げば、世界ランクの点を上乗せできる。来年は、東京オリンピック(五輪)の年。6月8日の発表の世界ランキングで出場選手が決まるため、ATPカップは魅力的だ。

出場国は、9月13日に発表される世界ランキングで、各国NO・1選手の上位18カ国が選ばれる。日本なら、錦織が現在7位のため、7番目に位置し圏内だ。11月13日に残り6カ国が決まる。錦織が全権で率いるチーム日本が、東京五輪の年に、オーストラリアで躍動する。

◆ウィンブルドンは、WOWOWで7月1日~14日、連日生中継。WOWOWメンバーズオンデマンドでも配信。