【光州=益田一弘】瀬戸大也(25=ANA)が、200メートルバタフライで2大会連続メダルを獲得した。

1分53秒86で2位。前回大会の決勝で出した自己記録1分54秒03を更新。東京五輪開幕ちょうど1年前を迎えた日本に「前祝いメダル」の朗報を届けた。親交があるボクシング世界ミドル級王者村田諒太(33)の復活劇に刺激を受けて、28日の本命種目400メートル個人メドレーでは世界チャンピオン=五輪代表内定を狙う。

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瀬戸が、五輪1年前を祝うメモリアルメダルをゲットした。自己ベストを0秒17更新してフィニッシュ。「うれしいです。今日は展開も完璧だった」。驚異的な世界記録のミラク(ハンガリー)には敗れたが「『アメージング』といっときました。速すぎだろ」とあきれ顔で笑った。

本命の400メートル個人メドレーではない同種目で、前回大会の銅メダルに続き2大会連続メダル。同種目は、昨年12月に短水路(25メートルプール)で世界記録も樹立。呼吸回数など試行錯誤を続けて、進化中だ。金のミラークは5月に都内のすし屋で「お・も・て・な・し」した。本命種目でなくても、ぐいぐい自分のフィールドを広げている。

「村田さんに勝ってもらって、それをパワーに変えて、自分もチャンピオンになりたいです」。3月下旬、都内で12年ロンドン五輪金メダル村田の訪問を受けた。ブラントとの再戦を前にした村田からウエートトレーニングをじっくりと観察された。さらに「そのメニューで意識しているところはどういうところ?」「週何回、トレーニングしているの?」と聞かれた。「五輪の金メダリストですからね。村田さんが来てくださったのは初めて。興味を持ってもらってうれしい」と瀬戸。他競技から貪欲に学ぶ姿勢に感銘を受けた。そして12日に村田が世界王座に返り咲いた姿に、本命種目の2大会ぶり王座奪還への思いを強くした。

この日は東京五輪メダルもお披露目された。「あのメダル、めちゃくちゃほしい。1年後に最初の400メートル個人メドレーで一番いいメダルがとれるように」と瀬戸。25日は200メートル個人メドレー決勝で連日のメダルも視野。本命種目での金メダル=五輪代表内定に向けてさらに加速する。