【光州=益田一弘】塩浦慎理(27=イトマン東進)が、21秒81で8位となった。日本人として01年福岡大会銅メダルの山野井智広以来、18年ぶりの決勝。自身が持つ日本記録21秒67に近いタイムで力泳。欧米選手が中心で日本人は戦えないとされてきた同種目で入賞を果たした。12日に開幕した今大会は28日に最終日を迎える。金、銀のメダル2個を獲得した瀬戸大也(25)が、本命種目の400メートル個人メドレーに出陣する。

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塩浦は、じっと電光掲示板を見つめた。21秒81で8位。「悔しいです。何とかメダル争いに食い込みたいと。でも思ったよりも力の差がある。3本目(の決勝で)にタイムを上げてくる」と口にした。

予選は全体5位、準決勝は同7位で通過。4度目の出場で初の決勝をつかんで「時間はかかりましたが、ようやく僕の世界選手権が始まった」。18年前の山野井の銅メダル映像は何度も見てきた。昨秋、のどの手術を受け約4カ月休養。2度の入院で体重は10キロ近く落ちた。「人生、何があるかわかりません。水泳をずっとやっていてよかった」。

筋骨隆々の欧米勢と堂々と渡り合った。13年に初めて代表入りした時に「名前を覚えてもらいたい」とモヒカンにした髪形は3週間に1度カット。「細め」「長め」と微妙に変えながら「日本人は無理」とされた難関種目に挑み続けた。初の決勝を終え「勝負させてもらえなかった。まずベスト記録を上げていく」と次を見据えた。