12歳の玉井陸斗(JSS宝塚)が、初出場初優勝を飾った。出場20人の予選を414・40点でトップ通過。決勝も397・40点で制した。4月の日本室内選手権を史上最年少12歳7カ月で制した超新星が、同世代との対決で抜きんでた存在感を披露した。

予選では6本目の演技で入水が大きく乱れた。背中が水面に当たって水しぶきが上がるミスで41・40点。馬淵コーチから身ぶり手ぶりをまじえて、指摘された。予選を終えた直後には、再び飛び込み台に上がって、同じ種目を居残りで練習した。しかし決勝もはいまひとつの内容で「今日の出来は20点ぐらいです。すべてが課題。出だしの思い切りさがないです」と反省した。

中学1年になったばかりだった4月の衝撃優勝で、大きな注目を浴びた。ただ五輪内定がかかった世界選手権は年齢制限のために出場できず。優勝=五輪代表内定となる9月のアジア杯(マレーシア)を目標にしていた。当初は「出場できる」と説明していた日本水連だが、のちに世界選手権と同じく年齢制限で出場できないことが判明した。

13歳10カ月で迎える東京五輪は年齢制限にかからないために出場可能だ。そのためには、まず来年2月の日本代表選考会(東京辰巳国際水泳場)で結果を出して、W杯日本代表になること。その上で同4月のW杯東京大会(東京アクアティクスセンター)で上位18人で争う準決勝に進出すれば、五輪切符を手にする。

玉井は、回転スピードと正確な入水を持ち味としている。「前宙返り4回転半抱え型(109C)」など世界レベルの種目構成を備えている。4月の日本室内選手権を制した474・25点は、今夏の世界選手権で7位相当。東京五輪に出場すれば、夏季五輪の日本男子最年少出場になる。