今夏の世界選手権男子200メートル自由形銀メダルの松元克央(22=セントラルスポーツ)が「歯鰹(はがつお)」になる。1日から欧州遠征に参加している競泳ニッポンの「カツオ」こと松元は、泳力を上げるためにマウスピース型の歯列矯正にチャレンジしている。にっこりと歯並びを見せて「かみ合わせを良くしたい」と目的を説明した。

同じ形式の歯列矯正は、過去に瀬戸らも試していた。歯のかみ合わせが均等になれば、体のバランスも良くなって泳ぎの向上につながるという。松元の歯列矯正は、9月28日からスタート。「まだ口の中がざらざらした感じで、慣れないです。そのうち慣れると言われたんですが…」と複雑な表情。食事以外はマウスピースをつけたまま半年間、生活した。もちろん海外遠征でもつけっぱなしだ。五輪代表選考を兼ねた来年4月の日本選手権までに終了予定。世界選手権同種目で日本人初のメダリストは、東京五輪でさらなる飛躍を見据えている。

名前は「かつひろ」だが、あだ名は「カツオ」。両親も仲間もそう呼ぶホープ。カツオの仲間には鋭い歯が特長の「歯鰹」がいる。松元の歯はきれいに並ぶことが目的だが、泳ぎの上では世界と戦うために牙を研ぐ。【益田一弘】