Wリーグ新潟アルビレックスBBラビッツは5日と6日のアイシンAW戦(阿賀野市水原総合体育館)で今季の開幕を迎える。

2年ぶりに主将を務めるF井上愛(29)が3季ぶりのホーム戦勝利に導く。5月に主将再登板決定後、開幕戦に照準を定めてチームを引き締めてきた。最後のホーム戦白星は16年12月11日、相手は同じアイシンAW。1028日ぶりにホームのファンとともに勝利の喜びを味わうために全力を尽くす。

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井上はチームメートにゲキを飛ばし続けた。開幕前の最終調整。試合形式の練習でプレーが途切れると大きな声で集中を促した。「(アイシンAW戦は)早い時間に先手を取って主導権を握りたい」。本来のポジションは外角のFだが、今季はリング下付近でCFのような起用が中心になる。「味方が得点できるように導く」とリバウンドに飛び込み、体を張る。戦う意志をプレーで示すつもりだ。

BBラビッツは2季連続の最下位。井上は「今季こそプレーオフ進出」と目標を掲げながら「若い選手にホームで勝つ喜びを感じてもらいたい」と話す。昨季はアウェー山梨戦で白星を挙げ、リーグ戦の連敗を48で止めた。だがホームでは2季連続で未勝利。最後の勝利、16年12月のアイシンAW戦を知る選手は井上とG山沢恵(23)の2人だけになった。

「勝利後のヒーローインタビューもほとんどの選手が経験していない。勝って得る喜びが大切」。選手ミーティングでは「開幕戦は死ぬ気で勝ちに行く」と言い続けた。その裏では選手と個別に話し合い、意見を取り入れた。BBラビッツ一筋で8年目、通算200試合出場まであと「4」。「デビュー戦も100試合も200試合も新潟で迎えられることがうれしい」。喜びを倍増させるためにも勝利でスタートを切る。【斎藤慎一郎】

 

○…小川忠晴監督(49)はアイシンAWを「身長の高い選手が多く、個の力もある」と警戒。その上で「攻守で選択肢は増えた」とチーム力アップも感じている。187センチのCFロー・ヤシン(24)がリング下にいることで起点ができた。「ヤシンを軸に周囲を使うこともできるし、リバウンドも取れる」と戦い方の幅は広がった。「攻守にアグレッシブなラビッツを印象づけたい」と話した。