国際オリンピック委員会(IOC)が東京五輪のマラソン、競歩の開催地を札幌に変更する計画に関し、国際陸連はマラソンと20キロ競歩の日程について、10月31日までに日本陸連など参加の各国・地域の連盟に2つの案を提示し、どちらがいいかの回答を求めた。

そのメールが届いたのは30日夜だったが、回答期限は31日まで。むちゃな要求に日本陸連幹部は「世界中の国が、こんなに急に回答できるとは思えない。どういう認識なのか」と困惑した。提示された2つの案はマラソン、20キロ競歩ともそれぞれ男女同日開催だった。

(1)8月7日男女20キロ競歩、8日男子50キロ競歩、9日男女マラソン。

(2)男女マラソン、男女20キロ競歩、男子50キロ競歩の計5種目を3日間で消化。日程は7月27~29日または7月28~30日。この場合は7月31日から新国立競技場で始まるトラック、フィールド種目とかぶらない日程だ。

しかし、情報はこれだけ。詳細はなく、日本陸連はこの日、都内で会議を開き「スタート時間」など運営の方式に関する質問状を送付した。国際陸連からの返事は「まだ検討していない」。不確定要素が多く、まだ(1)か(2)の案かは選べないとした。マラソン同日開催は17年世界選手権などで前例はあるが、その時は男子が午前10時55分、女子が午後2時の号砲。同様に男子のフィニッシュ後、女子のスタートになれば、日中に走る可能性も出る。まだ疑問点、検討材料は多い。