「世界のモモタ」が躍動した。国内トップチームが団体日本一をかけて争うS/Jリーグ男子開幕戦で桃田賢斗(25=NTT東日本)は菊池裕太(24=東北マークス)に21-11、21-6の2-0で勝ち、チームの開幕戦勝利に貢献した。

7月のジャパンオープンから先月20日のデンマークオープンまで国際大会5連勝。フランスオープンは準々決勝で敗れたものの、東京五輪出場をかけた選考レースでは1位を独走中。「5大会連続優勝は簡単ではないので、新たな自信になった」と手応えを感じて先月29日に帰国。5日からは福州中国オープンに向かう合間に、過密日程ながら「普段からお世話になっている人たちに恩返しがしたい」とS/Jリーグにエントリーし、集まったファンに世界のプレーを披露した。

この日も得意のヘアピンで相手を揺さぶり、甘くなったところで思いっ切りコートにたたき込んだ。「相手(菊池)は世界を回っている選手と戦う機会がなく、イメージが湧かなかったと思う。若い選手。これからもっと上がってくる」と世界1位らしく冷静に分析した。所属のNTT東日本には自分より若い選手も増えた。「ただ羽を打つだけでなく、自分のプレーを見て少しでもヒントにしてもらうように」と国内での戦いに出場する意図を語った。

数日前に札幌入りし「みそラーメン、海鮮、ジンギスカンすべて食べました」。他の選手が、試合が近く、生ものなどを避けている中「普段から食べたいものを食べたいだけ食べる」ためトレーニングをしているという桃田。北の大地でしっかりと栄養補給し、日本の応援を力に変え、年末まで続く過密日程を気合で乗り切る。【松熊洋介】