男女とも開志国際(北信越V校)が新潟県代表校を下し、「県王座」を手にした。帝京長岡と対戦した男子は二転三転するゲームを63-57で制した。53-55で迎えた第4クオーター(Q)に、SG小畠一真(2年)が2連続で3点シュートを放り込み、苦しいチームを救った。優勝決定戦を戦った男女4校が12月の全国選手権(ウインターカップ=東京)に出場する。

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リングに背を向け、SG小畠が右拳を握り締めて喜びを表した。53-55で迎えた第4Q、5分26秒。精度の高い3点シュートを決め、逆転。勢いそのままに連続で3点シュートを放ち、突き放した。「『取りあえず決めなければ』と思ったけれど何も考えていない」と話したシックスマンが、苦しいチームの“救世主”になった。

富樫英樹監督(57)は「シュートは水もの」と言う。得点源のSGジョーンズ大翔(2年)が第1Qに10得点したものの、以後はピタリ得点が止まった。エース不調の状況で小畠がシューターの代役を務めた。得点は11ながら大事なシーンで確実に決めた。主将のPG高木拓海(3年)は「小畠らがつないでくれた」と感謝した。

小畠はこの日、3本の3点シュートを沈めた。高校入学後、茨城の実家では土浦日大(茨城)OBの父敏治さん(51)のアドバイスを受け、高校の自主練習では1日200本の3点シュート。SG西村滉星(2年)とペアを組み、200本決まるまで続けた。当初、休憩を挟んで1時間を費やした自主練習は今では40分に短縮された。3点シュートが武器になった。

開志国際は全国高校総体(インターハイ)4強。「(ウインターカップは)決勝まで行きたい」と話した富樫監督は続けた。「ウインターカップで使える。ありがたい」。そう話した控え選手3人の中で小畠の名前を最初に口にしていた。【涌井幹雄】