来年8月に札幌市で開催される20年東京オリンピック(五輪)のマラソンコースが19日、決定した。市内中心部の中央区、豊平区、北区が「舞台」。大通公園発着で、前半は約20キロを1周、後半は約10キロを2周する変則的な周回コースとなった。

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女子マラソン代表の鈴木亜由子(28=日本郵政グループ)を指導する高橋昌彦監督が所属先を通じ、コメントを発表した。コースが決まり、「選手ともども安堵(あんど)しております」。暑さ対策を施してきた中、東京から札幌に変わり、「驚き」「戸惑い」があったというが、今は考え方も変わっている。

「我々は日本チームが勝つことばかりに頭がいっており、あまりスポーツの公平性や安全性という点は考えてはおりませんでした。その意味では今回決定した札幌のコースは参加する世界中のアスリート全てにとって、初めて走るコースであり、公平性が保たれるといえます」

今秋のドーハでの世界選手権は高温多湿で約4割が棄権した状況だった。

「暑さに強い日本チームの選手たちが快走する横で、暑さで倒れた他国のアスリートを乗せた救急車が街中を走り回るシーンを決して見たくありません。札幌は東京に比べて涼しく、湿度も低いことから、過度な暑さから多くのアスリートの身体を守ることができ、スポーツの安全性が保たれる可能性があります。東京オリンピックの競歩と女子マラソンが公平かつ、安全に行われ、後世にずっと語り継がれる名勝負の大会とするためにも、我々は今回の決定を快く受け入れ、そして選手を真の勝者に導いていきたいと思います」