夏冬通じて全国大会初出場の新潟産大付が、酪農学園大付とわの森三愛(北海道)に76-68で逆転勝ちし、全国大会1勝を決めた。16日に右足捻挫に見舞われた大黒柱PF石井英真(えま)主将(3年)が足を引きずりながら奮起。第3クオーター(Q)途中に46-45の逆転シュートを決めると以後、追いかける場面は訪れなかった。6大会連続出場の開志国際は松江商(島根)に93-49と圧勝で発進した。女子2回戦は24日に行われる。

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左サイド奥深くから、PF石井がドリブルでゴール下に突っ込んだ。44-45で迎えた第3Qの5分過ぎ。背後からファウルされながらもシュートを強引にリングに沈め、46-45と逆転に成功。フリースローも確実に決めて突き放した。やはり頼りになるのはキャプテン。要所で得点を積み上げ、2桁の13得点。足を引きずって歩くほどの故障を抱えているとは思えない力強さを初の全国の舞台で見せた。

「チームに貢献できてうれしかった」と石井は笑顔で話した。右足首を捻挫したのは16日の練習中。「もう無理だな」と出場を諦めかけていたが、徹底治療でぶっつけ本番のコートになった。電気治療、マッサージ、はり治療で患部の腫れは引いた。痛みは残るがハーフタイムにトレーナーからマッサージを施してもらいながらプレー。「ケガした時はマイナスのことしか考えられなかった」と話したもののシューティング、ハンドリングの練習は故障を押して行った。

新潟産大付は14、15日の佐渡合宿で最終調整した。調整を総仕上げした翌日の故障だっただけに、石井は「情けない気持ちだった」と言う。しかし04年創部のチームは全国大会初出場で全国1勝。「満身創痍(そうい)でした」と佐藤裕幸監督(44)は石井をこう評した。「あまり走れない状態ながら支柱としてチームを引っ張ってくれた」。全国大会2勝へ、今日24日の2回戦は津幡(石川)と対戦する。【涌井幹雄】

○…ナイジェリア人留学生のCエマニュエル・メリー・レイチェル(2年)も故障の爆弾を抱えながら大暴れした。26得点、27リバウンドでダブル・ダブルの活躍。もともと左足首を故障していたが大会直前には右アキレス腱(けん)を痛めた。「(石井)英真が試合、難しい。元気じゃない。だから頑張った」と故障した主将を気遣っていた。