富士見はストレートで敗れ、4年ぶりに初戦で散った。

1セット目は、相手の高いブロックと粘り強い守備に苦しめられた。故障明けのエース藤村若奈(3年)のスパイクが封じられ、思うように得点できない。相手のミスに助けられ、セットポイントまで持ち込んだが、そこから3連続失点。最初のセットを落とした。

流れをつかんだ相手に第2セットも主導権を握られた。同中盤からは、藤村やWS畑葵(2年)らのスパイクも決まりだし、一時は逆転に成功。それでも、23-21から4連続失点。第1セットと似たような展開になってしまった。

藤村は試合後、大粒の涙を流しながら「最後まで自分のプレーができなくて悔しい」と唇をかんだ。甲斐健悟監督(36)も「藤村は本調子ではなく、彼女の良さを出せなかった」。県大会では、ほぼエース不在で勝ち上がり、チームの底上げに自信を持っていたが「練習でやってきたことを出せませんでしたね」と肩を落とした。

藤村は、最後の春高バレーを終えた。自らが達成できなかった日本一への思いを、後輩たちへ託した。「チーム内の信頼関係を大事にして、日本一を目指してほしい」とエールを送った。