1日2試合のこの日、男女を通じて東北勢で唯一、準々決勝に進出した女子の古川学園(宮城)は、八王子実践(東京)にストレート勝ちし、準優勝の10年度(平22)以来9大会ぶりのセンターコート(4強以上)進出を決めた。

相手の高さに多彩な攻撃で対抗。キューバ人留学生バルデス・メリーサ(2年)が計17点を挙げ、2年生レフト野呂桃花も計11得点で勝利に貢献した。男子の東北(宮城)と不来方(岩手)はともに3回戦で敗れた。

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古川学園が東北勢最後のとりでを死守した。最後はメリーサの連続アタックで勝負を決めた。緊張から解き放たれた選手たちは小躍りしながら抱合い、笑顔をはじけさせた。久しぶりに8強の壁を破った岡崎典生監督(51)は「引いた方が負け。よく我慢して最後まで押し切れた」と選手たちの粘りをたたえた。

県予選から8戦連続のストレート勝ち。昨年涙した3回戦(対三重)を突破し波に乗った。終盤まで競り合った第1セットは19点目から抜け出し先取。第2セットは最大7点リードから21-20と1点差まで迫られたが、主導権を渡さずに逃げ切った。計17得点のメリーサはこれまでのポーカーフェースから一転。「思い切りよく決められた」と気合むき出しのガッツポーズでチームを鼓舞した。

スーパーエースの活躍に周りも発奮。第2セットはレフト野呂が2連続2回を含む8得点と活躍。バルデスが後衛にいる時間帯をカバーした。憧れのセンターコート進出を決めた野呂は「視野が広くなり、お互いにカバーしながら戦えた。メリーサが高くゆっくりした攻撃なので自分たちは速い攻撃を意識しました。3年生とセンターコートで終われる」と残り2戦に闘志を燃やした。セッター奥村澪(3年)も多彩なトスワークで司令塔の役割を果たした。「メリーサ1人に頼らず(トスを)1人1人に均等に上げるコンビバレーができた」と胸を張った。

20年ぶり4度目、現校名になって初めての高校選手権制覇を射程に捉えた。11日の準決勝は、共栄学園(東京)と対戦する。今日8日から3日間、5・プレミアリーグNECの体育館で調整予定だ。センター上沢沙織主将(3年)は「やってきたことを信じて自信を持って戦いたい」と闘志をみなぎらせた。【佐々木雄高】