「絶対王者」を撃破した影浦心(こころ、24=日本中央競馬会)が決勝で、12年ロンドンオリンピック(五輪)銅メダルのフロル(オランダ)に小内刈りで一本負けを喫した。

3回戦で五輪2連覇、世界選手権8連覇のテディ・リネール(30=フランス)を撃破。国際大会の連勝を154で止めた。「絶対王者」の黒星は、10年9月の世界選手権東京大会決勝で上川大樹に判定負けして以来、約10年ぶりだった。その勢いのまま、準々決勝でGS大阪大会覇者のタソエフ(ロシア)、準決勝で16年リオデジャネイロ五輪銅メダルのシルバ(ブラジル)に勝利したが、あと1歩及ばなかった。

東京五輪の代表争いでは、これまでの実績から16年リオデジャネイロ五輪銀メダルの原沢久喜(百五銀行)がリードする。2番手の「崖っぷちの立場」としながらも、リネールに勝つことで代表選考の大きなアピールになると信じ、「生き残るためにも勝つしかない」と背水の陣で今大会に臨んでいた。

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◆柔道の東京五輪代表選考 男女各7階級1人で、選手の準備期間確保を重視した「3段階」による選考で決める。(1)19年世界選手権優勝者が同11月のグランドスラム(GS)大阪大会を制し、強化委員会で出席者の3分の2以上の賛成で代表入りが決定。女子78キロ超級の素根輝(そね・あきら)のみが内定(2)同12月のマスターズ大会(中国)、2月のGSパリ大会、GSデュッセルドルフ大会終了時点で、強化委の3分の2以上が1、2番手の差が歴然としていると判断すれば代表選出(3)最終選考は4月の全日本選抜体重別選手権で、強化委の過半数の賛成で代表決定する。