東京オリンピック(五輪)観戦チケットゲットへ、ラストチャンスを逃すな-。東京五輪・パラリンピック組織委員会は2月12日、観戦チケットの春期販売概要を発表。先着順とされていた窓口販売に整理券が導入された。

人気チケットに購入希望者が殺到するのを避けるのが狙いで、整理券の発行枚数は五輪で約5000枚。開閉会式など人気チケットは先行販売での完売が濃厚で、最後の争奪戦も激化しそうだ。


申し込みは2月20日から3月12日(必着)まで
申し込みは2月20日から3月12日(必着)まで

昨年5月に始まった人気チケット争奪戦は、最後まで「抽選」になった。当初は1次だけだったが、予想を上回る申し込み殺到に秋以降の先着順を抽選(2次)に変更、さらに1次の落選者を対象に追加抽選も実施した。そして、今春以降に先着で予定されていた窓口販売にまで抽選による整理券方式を採用。また「神に委ねる」ことになった。

予想を上回る人気が「守りのチケット販売」を生んだ。開閉会式をはじめ陸上100メートル決勝などに人気が殺到。このまま先着順販売を強行すれば、公式チケットサイトや窓口がパンクしかねない。整理券による販売で人気セッションを売り切り、混乱が起きないように公式サイトと窓口での先着順販売につなげたい。

もっとも、この整理券獲得が難しい。窓口で対応可能な客数は1日500人。10日間の先行販売で整理券は約5000枚しか発行されない。当たっても指定された来店日時によっては、欲しいチケットがなくなっている可能性もある。特に開閉会式は「数百から数千枚単位」(組織委関係者)だから、初日の4月28日に完売するかもしれない。

整理券抽選に外れても、チャンスはまだある。過去3回の抽選で販売されたチケットは約447万枚。先行窓口での最大2万枚を加えても450万枚弱、招致段階での販売予定枚数は780万枚だから、学校連携プログラムの枚数を除いても200~300万枚は残っている計算になる。人気セッションの完売は確実だが、五輪を生で見るチャンスはまだ残っている。


チケット販売の流れ

(1)整理券申し込み 2月20日から3月12日(必着)まで、はがき裏面に必要事項を明記し〒119-0152「東京2020大会観戦チケット整理券事務局」へ。1人五輪とパラリンピックで各1枚、2枚以上申し込んだ場合は無効。


(2)整理券当選 4月上旬に集合日時、整理番号の入った当選通知が組織委から郵送される。日時は指定できず、指定時間に来店できない場合は他の時間に変更できる可能性もあるが、購入できない場合もある。


(3)購入 当選通知(整理券)を持参し、東京2020チケットセンター有楽町(JR有楽町駅下車1分)で購入。当選者本人のみが購入可能で、身分証で本人確認が行われる。


(4)売り切れ通知 先行販売で完売したセッションは公式サイトで発表。窓口にも明示するが、公表するタイミングなどは未定。


(5)先着順販売 先行窓口販売終了後、5月中旬以降から公式サイトによるウェブ販売を開始。数日後に窓口販売もスタートする。窓口は有楽町を含め都内2カ所での取り扱いを予定。


(6)公式リセール 公式サイトで購入されたチケットを定価で転売する。公式リセール以外での転売は禁止。


チケット販売Q&A

Q チケットセンターは東京だけですか?

A 整理券販売は有楽町のみ。5月中旬以降の先着販売は都内2カ所。遠方の希望者は購入のため東京に出向く必要がある。交通費は自己負担になる。


Q 整理券申し込みに年齢制限はありますか?

A 日本に住む人なら誰でも申し込める。乳幼児でも1枚申し込めるが、当選した場合は本人が窓口に出向く必要がある。


Q 購入できるチケットの種類は?

A その場で印刷される「サーマルチケット」のみの扱い。「モバイルチケット」や特別デザインの「スーベニアチケット」は扱わない。


Q 窓口で座席の指定はできますか?

A できません。複数枚購入の場合はできる限り並びで用意するが、離れる場合もある。その場合は、席が離れることを説明した上で販売する。


パラリンピックのチケットも五輪同様に先行窓口販売される。五輪と同様に整理券抽選申し込み(3月13日~4月5日)、整理券配布(5月上旬)、チケットセンターで購入(5月22日~28日)。販売日数が7日間のため、整理券の発行枚数は約3000枚となる。先行販売終了後、公式サイトと窓口での先着順販売が行われるが開始日は調整中で、五輪より遅れる予定。