新型コロナウイルスの感染拡大下、男子フィギュアスケート冬季五輪2連覇の羽生結弦(25=ANA)からメッセージが届いた。17日、日本オリンピック委員会(JOC)の公式ツイッターに動画で登場し、1分32秒の肉声を発信した。

「皆さま、こんにちは、羽生結弦です。つらいことや、我慢しなくてはならないこと、そして、制約がたくさんある毎日だと思います。生活が苦しい状況ではありますが、どうか不要不急の外出を控え、感染拡大防止のために、ご協力をお願いいたします」

続けて「僕たちアスリートは、いつも応援の力を感じ、そして受け取っていくことで頑張れています。時にはプレッシャーになることもありますが、それらがあるからこそ頑張れるんだと思います。このような状況の中で、未知の物に挑み続けてくださっている方々に、心からの感謝を申し上げます。本当に、ありがとうございます」と述べた。

新型コロナウイルスとの闘いに、まだ終わりが見えない中で「プレッシャーにもなるかもしれませんが、遠くから、応援の気持ちを飛ばしていきたいと、思います。そして何よりも今、苦しみながらも闘病されている皆さま、本当に苦しいと思いますし、想像を絶する恐怖とも闘っていらっしゃると思います。真っ暗闇なトンネルの中で、希望の光を見いだすことは、とても難しいと思います」と案じ「でも『3・11』の時の夜空のように、真っ暗だからこそ見える光があると信じています」と11年の東日本大震災を乗り越えた時を思い出すように語った。

最後に「どうか無理をなさらず、周りにいる方々を信じて、頼ってください。そして、皆さまが心からの笑顔で語り合える日々が来ることを祈っています」と締めくくり、世界的な終息を願った。

日本時間の16日夜、今年10~12月の代替開催を目指していたフィギュアスケート世界選手権(3月16~22日、カナダ・モントリオール)の延期断念が正式に決まった後のタイミング。3月に中止とスライド検討が発表された際には「来シーズンに向け、今の限界の先へと行けるよう、練習していきます」とコメントしていた羽生だが、今は新型コロナ禍を乗り切ることに専念してほしい、との切実な思いを込めて呼び掛けた。