東京オリンピック(五輪)・パラリンピック組織委員会の武藤敏郎事務総長(76)が15日、オンライン上で記者会見を行った。

大会延期に伴う追加経費を、可能な限り削減できるよう組織委の各局で見直しを進めている最中。その中で日数短縮や規模縮小を含めた検証をしていることが明らかになった聖火リレーについて質問が出た。

規模や内容変更の可能性について「我々は歳出抑制の努力、作業を進めている最中。その一環として聖火リレーを含め、あらゆる領域について議論を始めつつある。いろんなことが考えられる」と、まず答えた。

グランドスタートが福島県から変更になる可能性はあるか、との問いには「グランドスタートや、既に決まっている聖火ランナーについては尊重しながら見直しを行っていきたい。日数が短縮されるのか、ルートが変更されるのか等、いろいろ尋ねられるが、全面的な見直しの一環として聖火リレーも例外ではない、という趣旨。これから具体的な説明に向けて議論を進めていきたい」と説明。変更の可能性に踏み込みつつ、権利を維持する部分と合理化を図る部分を分ける考えをにおわせた。

海外メディアからの、毎回定番の質問となっている「来年、予定通り開催されるのか」「来年も開催できなければ再延期はなく中止なのか」等に関しては「いろいろな意見があることは承知しているが、我々は決定した来年の開催に向けて準備する立場。開催を前提として準備に万全を期して参りたい」「仮定の質問には答えられない」などとかわした。

新型コロナウイルス感染拡大を食い止めつつある海外の一部の国では、サッカーのドイツ1部リーグ、ブンデスリーガなど、主要スポーツの再開や収束後の大会計画に関する動きが出てきている。

このことを踏まえ、東京大会でコロナ対策を講じる上で、先行開催されるスポーツイベントの大会規模、観客数など、どのような点を参考にしたいか聞かれると「参考になると思っている。実際、どのように行われるか関心を持って見届けたい」と前向きに話した。