男子テニスで世界ランキング1位のノバク・ジョコビッチ(33=セルビア)が23日、新型コロナウイルスの検査で陽性反応が出たと自身の公式サイトで声明を出した。

3月からプロツアーが中断される中、今月にエキシビション大会「アドリア・ツアー」を母国セルビアとクロアチアで主催していた。世界19位のグリゴル・ディミトロフ(ブルガリア)や33位のボルナ・チョリッチ(クロアチア)らの感染が相次ぐ中、自身も感染していることが判明した。

ジョコビッチは「私の検査結果は陽性だった。同じく妻のエレナもだ。一方で子どもたちは陰性だった。私は感染した1人1人に心から申し訳なく思っている。みなさんの健康状態が悪化せず、早く回復することを願っている。私は14日間の隔離生活に入り、再び5日間後に再検査を受けます」などとコメントを出した。

ジョコビッチが主催した大会では、選手同士が握手や抱き合うなどの身体接触を繰り返し、さらにはバスケットボールに興じるなどソーシャルディスタンス(社会的距離)を無視しており、多くの非難が集中。大会は途中で打ち切られた。

超一流選手の軽率極まりない行動は、再開の機運が高まる世界のスポーツ界に水を差すものとなった。ジョコビッチの弟で、大会ディレクターのジョルジェ・ジョコビッチは「我々は大会が打ち切られたことは心から残念であり、ファンには申し訳ない。今は、感染者が一刻も早く回復することが最優先事項です」などとコメントしている。