日本フェンシング協会が25日、9月の開催を決めた20年度の全日本選手権(17~19日に予選=東京・駒沢体育館、26日に決勝=会場未定)の概要発表をオンラインで行った。

新型コロナウイルス感染症の状況を見ながら、無観客で行い、決勝はインターネット配信する。男子フルーレで08年北京(個人)12年ロンドン(団体)とオリンピック(五輪)2大会連続の銀メダリストとなった太田雄貴会長(34)が会見し、最後に、新型コロナ禍で活動を再開した選手たちへのエールを送った。

フェンシング日本代表は6月2日から東京・北区の味の素ナショナルトレーニングセンター(NTC)で再出発。男女のフルーレ、エペ、サーブルが時間を分けて練習している。太田会長は「練習できる喜び、剣を握れる喜びというものを痛感している、と報告を受けています。今まで当たり前のように使用できたNTCのありがたさ、競技ができる喜び、それをかみしめながら」と説明。一方で「練習不足であることは間違いない。ステイホームで可能な限り頑張ってくれたんですが、手の感覚、距離感がまだまだ足りていない、と同時に聞いています」と明かし「ただ、焦る気持ちは抑えて、勝負は1年1カ月先だよと言いたい。今は我慢しながら練習量を調整している状況」と来夏の五輪を見据えさせた。

県またぎの移動も可能になり、7月2日から静岡・沼津合宿を行う。ここでの狙いについては「フィジカル、アクティビティーを織り交ぜながら。、まだ楽しみながらやっていい時期」と語り「急ピッチで体をつくってしまって、けがをしたり、感覚がおかしくなることのないように、6月、7月は、ゆっくりと本来の動きを取り戻せるようにして、夏が明けたら、9月の全日本選手権に合わせて懸命に練習をしてほしい」と復調への道を思い描いた。

同時に、感染症対策の意識も持ち続けてもらう。「フェンシング界で陽性反応が出てしまうと、大会設計が難しくなる。当たり前のことだけ徹底してほしい。手洗い、マスク着用、3密を避ける。これを守ってほしい。個人的に徹底しているのは寝起きの歯磨き。選手にも、口内環境を良くしようと伝えています。それで風邪を引くリスクが低くなると僕は勝手に信じているので。健康で安全で元気に競技に挑んでほしいなと思います」とエールを送った。【木下淳】