県バスケットボール選手権1次ラウンド(R)が23日、県内の6会場で開幕する。全日本選手権の予選第1弾。新型コロナウイルスの影響で高校総体予選が中止となった高校年代(U-18)のために今回、1次Rが新設された。昨年度の県総体とウインター杯予選、BSN杯ベスト4の新潟清心女子は、今年初の公式戦で1次R突破を狙う。大学、一般が参戦する第2Rは8月下旬が予定されている。

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試合ができる喜びがコート上にあふれていた。シューズがこする、ボールを突くといった音もどこか軽快だ。PGからSFまでマルチにこなすSG北原祐月主将(3年)は「清心らしいプレーができる場面を与えてもらえたことに、感謝と喜びの気持ちでいっぱいです」と話した。

新型コロナウイルスによる登校禁止は6月1日に開けた。同8日から部活動は再開したが、約2週間は対人プレーはなし。戦法の1つである「セットオフェンス」などの細かい約束事はまだ手つかずだ。しかし、自粛期間中も選手は、トレーナーが作成したメニューに従って自主トレを行った。神田昌和監督(41)は「体(フィジカル)は比較的、落ちていなかった」と言う。

スピーディーなバスケットボールが持ち味。だからこそ1次Rは“機動力”で勝負する。相手の守備が整う前に速攻を決めていく。新潟清心女子は中高一貫校で、18年の全日本中学3位の実績がある。F星野乃彩(2年)、PG国保すず(同)、PF森末七海(同)ら当時の中心選手が高校でも主力に成長している。北原主将は「自分たちの意見をどんどん言ってくれるから、やりやすい」と意思の疎通の良さを強調する。

昨年は県高校総体とウインター杯県予選で連続ベスト4。今のチームも1月のBSN杯準決勝まで進み、新潟中央に勝って北信越新人大会(富山)に出場した。本年度は地区大会や県高校総体が中止となり、今回の1次Rでようやく初の公式戦を戦える。北原主将は「どんな状況でも悪い雰囲気をつくらず、笑顔で楽しくプレーする」と新潟清心女子のバスケットを思う存分、コート上で披露する。【涌井幹雄】

○…3年生は北原主将1人で、籠島遼(はるか)マネジャーを含めても2人。北原主将はウインター杯(12月)を目指す意思を固めているが、3年生は進学に向けて準備を進める時期だけに一緒に出場する機会は徐々に減ってくる。神田監督は「2人だけの3年生を同時にコートに立たせてやりたかった」と1次R開催を喜んでいた。