プレーオフ進出をかけた再開初戦で、東地区9位ウィザーズの八村塁(22)は西地区10位のサンズ戦に先発した。

29分47秒の出場で21得点、8リバウンド、1アシスト、1スティールを記録したが、112-125で敗れた。序盤から積極的に仕掛けたが、ファウルを重ね、気合は空回り。それでもチーム最多得点を記録した。

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八村は開始3分半で退いたのが痛かった。第2Qも入ってすぐにターンオーバー(TO)でリズムを崩した。攻撃はこれまで、ボール支配率の高いエースのビールが起点となり、他の選手がサポートする流れだった。それを練習試合3試合では修正できない。ゲームを作るガードが1人で行くなど攻撃が単調に見えた。

リーダー不在のチームは、ボールを持った選手が何をすればいいか迷う間にTOされていた。攻められなかったら返すだけと、各選手が孤立。伝言ゲームで話していくうちに最初と最後が違うように統一感がない。みんなが絡んでプレーしなければいけない時に流れを変える選手がいないと苦しい。八村に期待がかかるが、まだ1年目。短期決戦で経験の差は大きい。

選手も審判も4カ月半ぶりでファウルが増え、フリースローが多い。ウィザーズは失点率がリーグ30チーム中29位と守備力が弱い。攻撃は問題ないが、基本的には守備からリズムが良くなるもの。八村のような活力のある選手が強く当たりながらも、無駄なファウルをしないことが大事だ。

最後の1枠は次戦のネッツと争うだろう。主力を欠く相手は強豪との戦いを控えており、全敗もあり得る。ウィザーズが連勝して4ゲーム差になれば焦るだろうし、PO進出決定戦にも近づく。(NBAコメンテーター)