競泳でオリンピック(五輪)2大会連続2冠の北島康介氏(37)が会長を務める東京都水泳協による東京都特別大会が22日、東京辰巳国際水泳場で始まった。

コロナ禍で泳ぐ機会がなくなったスイマーたちに実戦の場を提供する独自大会で、この日は小学生の部が開催された。

北島会長はこの日、会場で初日を見守った。「春から試合がない中で、東京都水協として、ようやく大会が開催できて喜びを感じている。(水球の五輪会場である)辰巳のプールで行うことも大きなミッションだった。夏は水泳のシーズン。夏に水泳をしてもらいたいと思っていた。小学生の部からスタートできたこともうれしい」と話した。

大会は医療コンサルティングを行うキャピタルメディカ社の協力で、競技会用の感染予防ガイドラインを設定。無観客で行われ、会場入り口には体温を計測するカメラを設定して入場者をチェック。招集所でもマスクを着用して入退場の動線を分けるなど、感染症対策が行われた。

会場内の人数は、どの時間帯でも選手、指導者、競技役員を含めて1000人以内にすることも徹底した。この日は午前、午後で選手約350人ずつを入れ替えて大会を運営した。北島会長は「苦労した点は人数制限をしないといけなかったところ。泳ぎたい選手を100%受け入れていないので、完璧とはいえないけど。もちろんまだまだ注意すべきところはあると思う。ただ今大会をやってみることで、いろんな大会の参考になればいい」とした。

同大会は、小、中、高、シニアと4部門で開催される。29、30日のシニアの部では白血病から復帰を目指す池江璃花子(20=ルネサンス)さらに萩野公介、大橋悠依ら日本代表クラスもエントリーしている。「試合がモチベーションになることはすごく大事だし、選手がやる気になってくれるような舞台を整えていきたい」。感染予防のガイドラインを策定した上で、スイマーたちの泳ぎを楽しみにしていた。【益田一弘】