短距離走のエキスパートが、ラグビートップリーグのヤマハ発動機をスピードアップさせる。元陸上短距離日本代表の杉本龍勇氏(49)が今季、テクニカルアドバイザー(TA)に就任。個々の走力に、さらなるパワーを注入する。

杉本TAは7月末からチームに合流。まずはフォーム修正と、走る重心を腰回りに置くことを徹底させる。「反復させて体にすり込ませることが大事」と、日々のウオーミングアップやフィットネスにも、走力アップの指導を取り入れる。自然に、質の良い走りへ変わるのが狙いだ。

杉本氏はJ1清水などでフィジカルコーチを経験し、当時の日本代表FW岡崎慎司(34)の走りを指導した。ラグビーではサントリーに続いて2チーム目。早速、昨年W杯日本代表のヘル・ウベ(30)を直接指導し「体重を腰回りで支えきれていない。激しいコンタクトで、けがにもつながる」と、もも上げのフォームを修正した。

堀川隆延監督(47)の期待も大きく「スピードあるタックルや守備を目指す上で、期待している」。杉本TAも「伸びしろがあり、きっちりしたトレーニングを行ってリーグ優勝の手伝いができれば」と、期待に応えてみせる。【倉橋徹也】

◆杉本龍勇(すぎもと・たつお)1970年(昭45)11月25日、沼津市生まれ。浜松北高-法大-中京大大学院。92年バルセロナ五輪100メートル、400メートルリレーに出場。リレーではアンカーを務めて6位に入賞。法大経済学部教授。182センチ。家族は妻と2女。血液型O。