大阪の公立校を、花園へ-。ラグビーのトップチャレンジリーグ(トップリーグ2部相当)で昨季優勝を果たした近鉄のコーチ陣が8日、花園ラグビー場(東大阪市)内の練習場で地元の日新高へ指導を行った。

同市のトップアスリート連携事業として8月20日に始動し、今回が5回目。視察した野田義和市長(63)は「日新高校、花園、近鉄は東大阪の宝。ぜひとも続けたい。(夢は)日新高校が(全国高校大会の)大阪の枠を1つ埋めること」と市立校に期待を込めた。

練習は約1時間半行われ、選手22人とマネジャー4人は精力的に体を動かした。東大阪市は市立の中高にトップアスリート派遣を目指しており、本年度は試行段階。今回、近鉄コーチ陣は無償での指導になっている。それでも太田春樹スクラムコーチが事前に日新高へ足を運び、部員の様子や課題を把握するなど、近鉄側も気合十分。同市の担当者は「近鉄さんには頭が上がりません」と感謝した。

日新高は10月、全国高校大会大阪府予選の初戦を迎える。フランカー平田泰士主将(3年)は「僕たちだけの経験。学校でやっていること以上のことができる。モチベーションがとても上がっている」。普段はトップ選手を教える太田コーチも「高校生を教えるのは初めて。こちらも『楽しむことを忘れない』といったことを見直せる。我々も東大阪の代表。今後もぜひやらせてもらいたい」と継続した指導に意欲を見せた。

当面は今月15日の第6回を一区切りとし、来年度への検討事項を整理する。日新は公立の実力校だが、3年生が卒部すると、選手は13人。夢の花園へ、地域一体で歩み出す。【松本航】