フィギュアスケート男子の20年ユース五輪(オリンピック)金メダリストで、今季からシニアに転向する鍵山優真(17=星槎国際高横浜2年)が、世界的な振付師ローリー・ニコルさんが手掛ける新プログラム習得に取り組んでいることが10日、分かった。今週末の12、13日に出演するアイスショー「ドリーム・オン・アイス(Dreams on Ice 2020 Go for Tomorrow)」(KOSE新横浜スケートセンター)で初披露する。

ニコルさんに振り付けを担当してもらっているのは今季のショートプログラム(SP)曲。米国のチェリスト、ヨーヨー・マの「Vocussion」を演じる。新型コロナウイルス流行による渡航制限でニコルさんが住むカナダに飛べないため、8月15日からリモートで指導を受けているという。

7月の全日本シニア合宿(大阪)に初参加した時点では、暫定的にSPはジャズの「Take Five」を、フリーはアニメ映画「もののけ姫」を練習。長年タッグを組んでいる佐藤操コーチに振り付けしてもらう予定だったが、その佐藤コーチから、シニア1年目を一気に飛躍のシーズンとすべく、ニコルさんへの師事を提案された。背中を押された鍵山は挑戦を決意し、シーズン本格開幕前に異例のプログラム変更に踏み切った。

元世界女王の浅田真央さんや同王者の高橋大輔、ともに五輪出場2度の村主章枝さんや本田武史氏らのコレオグラファーとして、日本人との縁も深いニコルさん。新型コロナ禍の影響で当初計画よりスタートは遅れたものの、遠隔で適宜確認してもらいながら、まずは「ドリーム・オン・アイス」に向けて急ピッチで調整している。

フリー曲は「Lord of the Rings」で、こちらは引き続き佐藤コーチが振り付けを担当する。“指輪物語”の映画版ではなく、女性ボーカルが入っているミュージカル版を使用。フリーもニコルさんに手掛けてもらう構想はあるが、新型コロナの感染状況が流動的なため当面はSPに集中する。佐藤コーチとの両サポート体制でシニア初年度の開幕を迎える。

鍵山は、ジュニアから飛び級で出場した昨年12月の全日本選手権、今年2月の4大陸選手権(韓国)ともに3位と急速に台頭した有望株。「ドリーム・オン・アイス」出演後は、今季初の公式戦として関東選手権(10月1~4日、茨城・ひたちなか)への出場を予定している。