B1新潟アルビレックスBBはプレシーズン最終戦で初勝利を挙げた。B2バンビシャス奈良に81-73。新外国籍選手のSFロスコ・アレン(27)が32得点13リバウンドをマーク。今季の新潟の得点源をアピールした。一方、B2相手に1桁得点差の内容には課題が残った。開幕の横浜ビー・コルセアーズ戦(10月3、4日、アオーレ長岡)まで10日あまり。修正を重ねてシーズンを迎えなければならない。

アレンが躍動した。ドライブで相手守備を振り切ってレイアップ。リング下に走り込んでパスを受けてのダンク。自らオフェンスリバウンドを奪っての1本。「チームメートに何を求められているかを意識してプレーした」。19、20日のB1千葉ジェッツ2連戦では26、25得点をマーク。そして、この日は32得点。2点シュートは13本中12本成功。フリースローは千葉戦から3試合で計15本放ち、すべて決めている。安定したシュート力が際立った。

福田将吾監督(36)は「ターンオーバーも少ない(1個)。中心になる選手」。8月31日に全体練習に合流して3週間ほど。コンディションの上昇を数字が物語る。「チームメートとアイコンタクトを使ってプレーできるようになった」と手応えを感じてきた。

B2島根スサノオマジック時代のチームメートでもあるSG佐藤公威(36)とはコート内外で会話をする。佐藤を仲介して他のチームメートとのコミュニケーションも深めた。「もっと意思の疎通を図れば、もっと精度を上げられる」。プレシーズン7試合目でようやく挙げた白星に、自身の積み上げを重ね合わせた。

もっとも、試合内容は合格点にはほど遠い。前半は39-23と16点差をつけたが、終わってみれば8点差。後半のスコアに限れば42-50と奈良が上回った。ミスからの失点に加え、相手に簡単にリング下に入られる場面が目立った。「誰が出てもチームのパフォーマンスが変わらないようにしなければ」。福田監督は選手間の力の差の解消を開幕までの課題に挙げた。

アレンも「攻撃時のポジショニングなど、修正点が多い」。その上で「少しの修正ができればもっと良くなる」と前を向く。開幕に向けて、さらに気を引き締めなければならない現実を受け止めた。【斎藤慎一郎】