日大2年の石川慎之助(19)が、新型コロナウイルスの恐怖を赤裸々に語った。日大は8月中旬に選手寮で集団感染が発生した。

石川はPCR検査で陰性だったが「陽性だったメンバーともよくしゃべっていて、明日は我が身という感覚が強かった。周りから『味覚がなくなる』という声が増えてきて。たくさんの方がなくなっている病気なので、怖さがあった。生きている心地がしなかった。唯一ものを食べて味がすること、これで安心できた。僕は太りやすい体質なんですが、食べていることが生きていることというか…」。

太ってしまった石川は今大会に向けて5キロ減量して臨んだ。しかし2週間の部活動自粛などもあって、精彩を欠いて、決勝は52秒13で5位。自己ベスト51秒11に1秒も遅れた。また400メートルメドレーリレーでも早大に敗れて2位だった。

「タイムが出ないと面白くないし、勝てないと面白くない。個人でもリレーでもいいところがなかった。今日は(レース後に)2回も泣いてしまった。練習は好きじゃないけど、こんな試合は本当にいやなので、死ぬほど泳いでやる」と巻き返しを誓っていた。