東京オリンピック(五輪)7人制ラグビー女子日本代表候補の大黒田裕芽(おおくろだ・ゆめ、26=名古屋レディース)が14日、さらなる強化を図るために練習拠点を変更したことを明かした。

埼玉県熊谷市での合宿後、オンライン取材に応じた大黒田は7人制女子の名門「アルカス熊谷」から「名古屋レディース」に移籍したことを報告。「今後の強化方法を考えた時、男子と一緒に練習することで、より世界と近い環境でできると思った」と理由を説明した。

千葉・市船橋高時代のコーチが、中京大男子ラグビー部で指導している縁で名古屋移籍を決意。高校時代も男子部員に交じって腕を磨いてきた。約1カ月前から平日のみ同部の練習に参加し、女子では体感できないスピードやパワーなど、より高いレベルでの強化に励む。「まだ大学と自宅を行き来する生活だが、男子学生と一緒にやることで勉強になる」。

また、移籍に伴い、UCC上島珈琲も退社。アスリートの就職を支援する「アスナビ」に登録しながら、就職活動もしている。

10位に終わった16年リオデジャネイロ五輪を経験し、2度目の夢舞台への思いは強い。前大会の時に比べて、チームで過ごす時間も長く、東京五輪では「メダル獲得」を目標に掲げる。父は京都・伏見工(現京都工学院)のラグビー部出身、兄は帝京大ラグビー出身と、“ラグビー一家”で育ったサクラセブンズの大黒柱は「(チームの中で)経験と年齢も高くなっているので、東京五輪では中心選手になってチームを引っ張りたい」と、強い責任感に満ちている。