ホンダ勢は4台全てがQ3に進出し、トップ8のうち半数を占めた。

メルセデスAMGにはかなわなかったものの、レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンが0・567秒差の3位。Q2ではスパークプラグの不具合に見舞われて急きょ交換作業を余儀なくされる場面もあったが、レッドブルとホンダのメカニックの迅速な作業で交換を完了してコース復帰を果たし、タイムアタックをミスなくまとめてQ3進出を決めた。

「電装系のトラブルでしたが、当該の問題部品の特定がスムーズにできて、レッドブルのメカニックがカウルを開け、ホンダのメカニックがパーツを交換し、またレッドブルのメカニックがカウルを閉めるという作業でしたが、双方ともにチームが想定している作業時間よりもはるかに速い時間で作業を完了してくれました」(ホンダ・田辺豊治テクニカルディレクター)

フェルスタッペンはこのトラブルの影響でQ2の2回目アタックをミディアムタイヤで敢行しなければならず、Q3に向けた確認走行ができなかった。これがQ3本番で影響し、タイヤを完璧な状態にウオームアップできなかった上に、自分自身もドライビングのリズムがつかめなかったと悔しがった。

「あまり良い予選ではなくて、ちょっととっ散らかったセッションだったね。もちろんうまくまとめたからといってメルセデスAMGに勝てたとは思わないけど、もう少し接近することはできたと思うし、もう少しエキサイティングな予選にはできたんじゃないかと思う。トラブルの影響でQ3に向けたリファレンスがしっかりとつかめなかったんだ。最後までリズムをつかむことができなくて、まだ限界を引き出せたという感じではなかったよ」

アルファタウリ・ホンダのピエール・ガスリーも自己最上位の4位に入った。

「マシンはフリー走行の走り始めから良いフィーリングだったし、このサーキットではウチのマシンパッケージがうまく機能していると思う。フリー走行から良いラップを決めることができたし、予選でもQ1からQ3までうまくいったよ」

アルファタウリ・ホンダは開幕前の6月にイモラ・サーキットでテスト走行を行っており、全チームの中で唯一、現行パワーユニットでの走行データを持っていた。

「もちろん僕らはそのアドバンテージを生かしたし、ここでテストをするというのは良い決断だったと思う。とはいっても15周程度の走行で、今日の走りとは全然違うレベルのペースでしかなかったから、ものすごく参考になるというわけではなかったけど、コースのレイアウトや縁石の使い方など第一印象を先につかんでおけたのは良かったね」

ホンダ勢としては4台がQ3進出を果たし今季最高の予選結果であるものの、田辺テクニカルディレクターはトラブル発生に顔をしかめた。

「2日間イベントということで普段の初日とは違ってフリー走行をやってその後に予選というフォーマットですので、通常よりも若干忙しい土曜日になりました。ホンダの4台がQ3に進出してそれぞれのチームが持っているパフォーマンスを最大限に引き出して走ってくれたと思いますが、ホンダとしてはQ2が始まったところでマックスのパワーユニットにトラブルが発生したこともあり、素直に喜べない複雑な心境ではあります」

(米家峰起通信員)