12月5日、F1サヒールGPのサポートレースとして開催されているFIA F2の第12ラウンド・レース1が行なわれ、来季のF1昇格がかかる角田裕毅(カーリン)が優勝を飾った。今季3勝目。

スタートでポールポジションから3位に順位を下げた角田だったが、冷静に前の2台を追いかけ、タイヤ交換義務を消化しながらタイヤをいたわって走行。レースが残り12周となってライバルのタイヤ性能低下が進んだところで猛追を開始。ドライバーズランキング上位を争うロバート・シュワルツマンとニキータ・マゼピンをオーバーテイクし、5・613秒差を付けて勝利を収めた。

これで角田はランキング3位に浮上し、明日のレース2を残して今季のランキング5位以上が確定。これによってF1昇格に必要なスーパーライセンス取得要件が揃い、2021年のF1デビューが確実となった。

「スタート直後のターン1ではインに飛び込まれてスペースを残したせいで2つポジションを落としてしまいましたが、最後の10周ほどはライバルたちがタイヤに苦しみ始めたのでプッシュして、最初はそれほど差は無かったもののなんとか抜くことができました。スーパーライセンスのことは考えていませんでしたが、取得できる条件が整ったのは将来に向けて大切なことですし嬉しい。先週の予選・レースではミスをして落ち込みましたが、ドライビングでチームに恩返しができて良かった。まだ選手権は終わっていないので、明日のレースも楽しみながらランキング2位を目指して最大限の走りをしたいと思います」

レース後、マゼピンの他車への進路妨害とコース外への押し出しに対して計10秒加算のペナルティが科され、マゼピンは9位に降格。これにより角田の順位と獲得ポイント、ランキング3位に変動はないが、角田のランキングは4位以上となることが確定している。

(米家峰起通信員)