フィギュアスケートの情報を毎日発信しています。

今日の1枚

日刊スポーツが蓄積してきた写真の中から厳選して紹介します。

2007年12月27日
2007年12月27日

07年12月、フィギュアスケート全日本選手権・男子で優勝した高橋大輔は重そうにトロフィーを持ってウイニングラン。


今日の出来事

GPデビュー季の浅田真央(15=グランプリ東海ク)が、ファイナルで衝撃のショートプログラム(SP)首位発進(2005年)

15歳の天才少女に、初のGPファイナルも五輪も関係なかった。スルツカヤを抑えての首位発進に「びっくり、びっくり、びっくり」と、つぶらな瞳をさらに大きくして無邪気に笑った。スルツカヤは今年、世界選手権とGP2戦ともSP、フリーすべて1位。その無敵の女王に5・48点差をつけて、自己最高記録の64・38点をたたき出した。

いつものオレンジの衣装が、氷上でかわいく踊った。妖精のように、軽々とジャンプをこなした。世界で浅田しかできない片手のビールマンスピンは、最後のコンビネーションで最高のレベル4をもらった。ダブルアクセル(2回転半ジャンプ)では珍しく着氷時にひざが折れた。「ほぼ満足ですけど、最後に失敗したので99点」と胸を張った。

今年、GPシリーズ初出場ながら、フランス杯でいきなり優勝を飾った。トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を楽々とこなす正確な技術で、ジュニアの世界タイトルを総なめにした。この日も技術点は断トツ。シニアになって、苦手だった優雅な大人の演技力も加わった。その実力が評価され、年齢制限で五輪に出られないことに疑問の声が上がった。

しかし、国際スケート連盟(ISU)のチンクワンタ会長は「素晴らしい選手だが、年齢制限は技術とは無関係。医学的見地から決めたもの」と特例出場は認めない方針を明らかにしていた。

この日も会見で、外国プレスから五輪出場への質問が飛んだ。「トリノに出るとか出ないとかさえ知らなかったので、あまり深く考えたことはありません」。本人はいたって無頓着だ。しかし、フランス杯では世界2位のコーエン(米国)を破った。そして今回、女王スルツカヤに勝って世界の頂点に立てば、特例出場への話題が浮上することは必至だ。

わずかな五輪出場の可能性に懸けて今日17日のフリーでは、女子で世界初となる2度のトリプルアクセルに挑戦する。「いつものように気楽に。トリプルアクセルを2回跳んで、ノーミスが目標です」。怖いもの知らずの天才少女。屈託のない笑顔で、浅田が五輪出場への奇跡を起こす。