男子は初出場の北海道栄が試合終了間際に逆転を許し、惜しくも全国初勝利を逃した。

最後の3秒で天国と地獄を見た。北海道栄の選手は試合終了のブザーで涙にぬれた。第4Q。会場の電光掲示板で残り3・8秒で1点リードを奪うも、その3・2秒後にインサイドを切り込まれ逆転を許した。再度勝ち越しを狙うには0・6秒では短かった。チーム最多23得点の多田悠馬主将(3年)は「負けた状態から最後追い上げられたのは良かった」。初出場初勝利は逃したが、胸を張った。

試合開始直後に多田が3連続3点シュートで作った良い流れの中でアクシンデントは起きた。9点先行した第1Q残り2分42秒に司令塔の熊谷翔(3年)が空中の競り合い後に転倒。一時意識を失い救急車で都内の病院に運ばれた。大事には至らなかったが、チームの核を失った。それでも最後まで諦めなかったのは仲間のためだった。多田は「来年は絶対に全国で1勝して欲しい」。全国1勝は後輩に託された。

◆惜敗した北海道栄・木村匡宏監督(39) 熊谷の分まで勝って明日試合をやるぞという気持ちで粘り強く戦ってくれた。最後残り3秒頑張りきれなかったのは僕の指導力不足。

◆熊谷に代わり司令塔を務めた北海道栄・長沢尊星(3年) エース(熊谷)が抜けざるを得なくなって、自分が代わりにしっかりゲームメークをしようと頑張った。最後まで自分のできることはやった。