男子は2年ぶり9度目出場の飛龍(静岡)が盛岡南(岩手)を84-63で退け、初戦を突破した。第2クオーター(Q)の戦術変更から主導権を握り、快勝した。25日に行われる2回戦では、優勝候補の東山(京都)と対戦(午後2時、東京体育館)する。

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初戦の緊張、重圧から解放された。リードを許して迎えた第2Qで、飛龍の原田裕作監督(37)が動いた。「全体が硬く、嫌な流れだった。自分たちの流れに持っていきたかった」と、敵陣から積極的にプレッシャーをかける「ゾーンプレス」を仕掛けた。

この采配がはまった。21-21の同点とした場面で、相手のターンオーバーを誘う。最後は古大内雄梨(3年)が、2連続となる3点シュートを沈めた。勝ち越しに成功すると、第3Qでは本来の姿が戻った。スピードが魅力の保坂晃毅(3年)を中心としたチームの武器「速攻」で、盛岡南を圧倒。リードを16点まで広げ、勝負を決定づけた。

桜井椋介主将(3年)は「ディフェンスの形を変え、オフェンスの流れも変えられた。2Qが試合のポイントになった」。この日、チーム最多26得点の古大内も「後半は飛龍のバスケができた」と、うなずいた。

2回戦では、優勝候補の東山に挑む。先月26日の組み合わせ決定から約1カ月、チームは「打倒東山」を掲げて対策を練ってきた。桜井は「全国の強豪と戦えるのが、ウインターカップの醍醐味(だいごみ)。気持ちを切り替えて全員で勝ちたい」と、チームの思いを代弁した。一丸で下馬評を覆す。【前田和哉】