男子の福島東稜は、昨年3位の北陸(福井)に77-82で惜敗し、大金星を逃した。前日(24日)の初戦は相手に新型コロナウイルス感染の疑いがあり、試合棄権による不戦勝で勝ち上がった。2回戦では佐藤敢太主将が13得点3アシストと奮闘。野内拓実、福地真央(いずれも3年)、ナイジェリア人留学生のモーヌ・チソン・フランクリン(2年)も2ケタ得点をマークして、強敵をあと1歩まで追い込んだ。

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最後まで執念を見せた。第4クオーター(Q)残り2秒4から試合が再開。絶望的な8点ビハインドの状況で、仲間にボールを託された佐藤敢は、コート中央から大きな放物線を描き、ブザービーターの3点シュートで5点差に縮めた。「点差的には厳しかったんですけど、自分にボールを渡してくれて、しっかり打とうと思って最後までプレーすることができました」。司令塔として「やっぱり勝てなかったことが悔しい。自分がコントロールできず(攻撃が)単発になってしまったのが敗因」。前半を35-32で折り返しただけに無念の幕切れになった。

必死に追いかけた。60-64の第4Q残り6分7秒、フランクリンのシュートで2点差まで肉薄。しかし、その直後に警戒していた2選手に連続3点シュートを浴び、再び点差が開いた。佐藤敢は「第3Qから自分もいろいろミスを犯してしまった。相手のエースを乗らせてしまい、ディフェンスが甘かった」と嘆き、「前半は6番、5番がシュートが当たってなかったが、後半は自分たちが思ってた以上にシュートが当たってしまい、そこで逆転されて離されたのが痛かったと思います」と振り返った。

チーム最多20得点14リバウンドでダブルダブルを達成した2年生のフランクリン以外は、3年生がスターターだった。佐藤敢は「来年はまだフランクリンが残ってるので、中心になって頑張ってほしいです」と思いを託す。続けて「コロナでバスケットが行えるか分からない状況で、ウインターカップでプレーできて本当に感謝しているし、チームと一緒に3年間やれて良かったです」と言葉をかみ締めた。2回戦敗退で目標の4強進出に届かなかったが、福島東稜の強さは全国に示した。【山田愛斗】