2連覇した11年以来9年ぶりに決勝進出を目指した札幌山の手(北海道)は準決勝で姿を消した。

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大逆転勝利にはあと1歩届かなかった。12点を追う第4クオーター(Q)残り2分8秒。1年生主将の森岡ほのかの2点シュートが決まり、点差はわずか2点。第4Q、一時は17点差まで広げられた後から脅威の粘りだった。会場にも逆転劇の雰囲気が立ち込めた残り2分。2度の攻撃機会で森岡ほのかの3点シュート、エース舘山萌菜(3年)の2点シュートはリングから外れた。残り39秒で相手に96点目を決められて力尽きた。

「ごめんね」。舘山は試合後に森岡ほのかから耳元でささやかれた。11月の北海道予選前に主将の重責を担わせてしまった。その1年生主将の言葉に涙があふれた。3年生エース舘山はこの日もチーム最多34得点を挙げながら「自分がシュート決めて同点にしたかったけど、外してしまったの。決めきりたかった」。大黒柱として9年ぶりの決勝に導けなかった責任を一身に背負った。

第1Qは26-29と粘るも、相手の3点シュートを対策しきれず、前半終了時点で6点のビハインド。後半も相手にじりじりと点差を広げられた。優勝3度、準優勝4度の名門にこのまま屈するのか-。だが、違った。舘山は「高校生活が終わると思ったらこのまま終わりたくない」。第4Qには江畑光琉、森岡姉妹の姉かりんの連続3点シュートなど、土壇場で3年生が活躍。試合後に就任54年目の上島正光監督(77)は「本来ここまで来る力はない」と大会を総括した中で4強まで進出したのは3年生の意地だった。

一昨年は道予選決勝で敗れ全国を逃し、昨年は1回戦負け。苦しみ続けた3年生の最後の大会は終わった。それでも大きな希望を残す。今大会初出場で攻守に奮闘した森岡ほのかは「自分はあと2年ある。次の2年で挽回できる。3年生の分まで練習を頑張って、次はもっと良い結果を出せるように頑張りたい」。札幌山の手の挑戦は、4強に散った今、この時から再び始まる。