史上最多63校出場による第100回大会が、コロナ禍のため無観客で幕を開けた。5大会ぶり6回目出場の筑紫(福岡第2)は、48-5で坂出第一(香川)に快勝発進した。

文武両道の県立進学校で、魂のタックルが伝統だが、この日はBKの展開力を軸に計8トライ。30日2回戦は優勝候補の東福岡(福岡第1)との「福岡対決」が実現した。九州勢は東福岡、佐賀工、長崎北陽台も初戦突破。熊本西、長崎南山は姿を消した。

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5大会ぶりの聖地で、筑紫が輝いた。前半2分、SH池上から素早い展開で右へ。大外の1年生WTB香野が右中間に先制トライを決めた。これが号砲となり、BK展開力を軸に計8トライ。無観客でいつもとは違う花園。WTB中洲主将は「歓声がなく変な感じで居心地が良くなかったです」という初戦だ。だが、試合前の宿舎。今年から取り入れた瞑想(めいそう)を約20分行い、最後まで集中を切らさなかった。

東福岡との合同練習の成果でもある。筑紫の長木監督、東福岡の藤田監督は、ともに福岡大ラグビー部の出身。それが縁で今年初めて実現した。月2回、東福岡の人工芝グラウンドで胸を借り、成長した。スピードや対人の強さなど、全国トップレベルを体感することで「タックルやボールキャリーが高いレベルに引きあげられた」(中洲主将)という。

30日は東福岡との“福岡決戦”。今月6日に行った練習試合は7-81で大敗している。長木監督は「花園で東福岡とやれることがモチベーションだった。次はやってくれると思う」。最高の舞台で、最高の相手と対決するチャンスが巡ってきた。公立校の希望の星として、勝利だけを目指す。【菊川光一】