前回大会準優勝でシード校の御所実(奈良)が“1回戦屈指の好カード”に完勝した。激戦区・近畿ブロックを勝ち抜いた報徳学園から、PGで手堅く3点先取し、その後に3トライで24-5。悲願の初優勝へ、最初のヤマ場を突破した。“脅威のノーシード”常翔学園(大阪第3)は76-0で日川(山梨)に圧勝。5大会ぶり出場の関西学院(兵庫)は43-0で古豪盛岡工(岩手)を完封した。

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常翔学園のトライゲッターWTB中村楓馬(3年)が、花園を走りまくった。前半5分の先制トライを皮切りに、終了寸前の後半25分の締めの1本まで、チームの半分の6トライを決めた。「初戦から勝利に貢献できてうれしい」と声が弾んだ。

昨年度大会は11月に鼻骨を折ってメンバー漏れ。悔しさを胸に進化した。同校グラウンドのある淀川河川敷の堤防は下から長さ約30メートル、高低差は約10メートル。仲間4人を抜き去る形で何度も駆け上った。身長は171センチ。「背が小さい僕は走力を鍛えないとダメ」。50メートル走6秒1の脚力を磨いてきた。

中村の6トライはFW陣が前に出て、BK陣が思うように動けたからだ。野上監督は「予定通り。ええ感じで理想的な滑り出しですわ」とうなずく。花園通算97勝で大台100勝にあと3つとなったが、ゴールはそこじゃない。第100回大会での優勝へ。決勝まで6戦6勝、102勝で夢にたどり着く。

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