花園で年越しを目指す東北勢対決は、仙台育英(宮城)が青森山田に勝利した。今大会限りで退任する、丹野博太監督(55=東北題字に写真)と臨む最後の全国舞台で、14大会ぶりの16強入りを決めた。3大会ぶり68度目出場の秋田工はNO8土肥大貴(3年)、WTB淡路泰生(3年)がともにハットトリックを達成。計8トライの猛攻で西陵(愛知)に48-0で大勝した。山形中央は初の3回戦進出を狙ったが、敗れ去った。

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100回の記念大会で、14大会ぶりの「花園で年越し」を実現させた。前半2分、ゴール前ラックからプロップ関聡憲(3年)が、右サイドを突破し中央に先制トライ。同4分にはロック最上太尊(2年)、13分にSH竹森彩仁(3年)と試合序盤からトライを積み重ねた。前半だけで5人で計5トライ。29-3で折り返した。関は「自分にとっては花園初トライ。節目の大会で花園2勝を挙げられた」と喜びをかみしめた。

今大会は、負けられない理由がある。チームを率いて30年目。花園へ25大会連続27度目出場に導いた丹野監督が今大会限りで退任する。SO青沼駿昌主将(3年)は「(丹野)先生にはラグビー以外でも、いろいろなことを教わった。あいさつはもちろん、学校生活の態度にしても」と感謝は尽きない。恩師と1日でも長くプレーする、その思いを胸に、前半29分には2試合連続となるトライを挙げ、勝利に貢献した。

青沼主将は司令塔としてチームをけん引する傍ら、学力選抜クラスに在籍するほど、学業の成績も優秀だ。一般生徒より1日の授業数が多い日もあり、練習に間に合わないこともある。それでも、「ただ単にラグビーをしているだけではいけない。両立することが大事」と、文武両道を貫いている。

次戦は1月1日、前回大会の覇者・桐蔭学園(神奈川)と対戦する。青沼主将は「最低ベスト8の目標を掲げている。挑戦者の気持ちを持って臨みたい」と言葉に力を込めた。お世話になった恩師の花道を。金星で飾ってみせる。【佐藤究】

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