前回大会4強メンバー7人を擁すタレント軍団の東福岡が、個人能力の差を見せつけ8トライで「福岡決戦」に快勝した。

機動力を象徴するCTB寺下が先制パンチだ。前半1分、自陣から快速で約70メートル独走してトライ。その勢いのまま同9分に連続トライを決めると、後半4分のトライでハットトリックを達成し大車輪の活躍。相手のFWがボールを保持し前に出る戦法に苦戦する場面もあったが「個々の力で戦って行こうと思った」と寺下。個人技の高さで翻弄(ほんろう)した。

寺下は腰や左ひとさし指の疲労骨折・靱帯(じんたい)損傷など相次ぐけがで長いリハビリを経て12月中旬に復帰。筑紫には、中学時代のつくしヤングラガーズのチームメートも多く「福岡対決で、圧勝で勝ってやろうという強い気持ちがあった」と燃えていた。藤田監督も「不思議な感覚で、ライバルの筑紫と記念大会でやれたのも何かの縁。福岡のチームとしてお互い負けられない、そういう思いのラグビーができたと思う」と健闘をたたえた。

主力のけがからの復帰は、寺下だけではない。チーム一の俊足(6秒0)を誇る元U-17日本代表でFB坂本も両足肉離れや右肩脱臼の離脱から福岡決勝で復帰。花園を前にベストメンバーが整ったことも戦力の充実につながっている。

元日3回戦の相手は強豪の石見智翠館(島根)に決まり、指揮官は「FWを前に出し、強いラグビーをしていきたい」。全国トップクラスの陣容で調子も上向き、7度目の優勝へ視界良好だ。【菊川光一】

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