秋田北出身でバレーボールのV1日立リヴァーレに所属するアウトサイドヒッター野中瑠衣(19)が、高卒ルーキーながら奮闘を続ける。前年度の全日本高校選手権(春高バレー)はエース、主将の2役で大会初勝利に貢献。母校は3年連続で全国切符をつかみ、今日5日に富山第一と初戦を迎える。「私の後輩たちはすごく頑張って春高に決定したので、毎年とは違う形でも開催できて本当に良かった。後輩のパワーに負けないように頑張りたいです」。10日から始まるVリーグ後半戦で存在感を示す。

欠かせない戦力になりつつある。前半戦序盤こそピンチサーバー起用が目立ったが、リーグ全13試合に出場し、初先発から直近の試合まで5戦連続スタメンと好調だ。昨年12月5日、地元秋田市で開催されたトヨタ車体クインシーズ戦は、自身初の2ケタ得点かつチーム最多13得点で、アタック決定率61・9%。堂々の成績で勝利の立役者になり、故郷に錦を飾った。

帰省時は秋田北の練習に顔を出し、定期的に連絡を取るなど卒業後も後輩を激励してきた。「新チームの始動当初は県内でもあまり勝てなかったが、優勝した春高予選を中継で見ていて『自分ももっと頑張らなくては』と背中を押されます」と刺激を受けている。

大学進学ではなく日本最高峰の舞台に飛び込んだ。「Vリーグは一日中バレーにかかわれるので、そういった面では大学よりも自分のバレーに対する考えを深められます」。将来的な日本代表入りを狙い「今の自分ではまだまだ遠いが、そこを目指すためにこの道を選んだ。ぶれない自分というのをしっかりつくり、地道に1つずつ頑張っていきたいと思います」。秋田が誇る大器が躍進へ研さんを積む。【山田愛斗】