京都成章(京都)が東福岡(福岡第1)を破り、初の決勝進出を決めた。

劇的な幕切れだった。3点リードで時計表示が後半30分を回った。ロスタイムのアナウンスは「1分」。東福岡のWTB西端玄汰(3年)に右ライン際を抜け出され、ゴールまで残り10メートル…。必死で戻った京都成章のFB小林修市(2年)がこん身のタックルを決め、西端をタッチラインに押し出し、ホイッスルが鳴った。逆転サヨナラ負けの窮地をしのいだ。

「焦ったけど、とりあえず“走らな”と思って」という小林は「押し出した時は、まだ終わりかわかりませんでした」という。

花園で2戦2敗だった東福岡を破った。前半8分に先制トライを決め、相手ラインアウトでボールをスチールするなど大黒柱の働きを見せた“ジャイアン”ことロック本橋拓馬(3年)は「先輩がたが2度負けていて、僕らが歴史を作るつもりでした」と胸を張る。

ダブル主将の1人、SH宮尾昌典(3年)は「名前負けしないよう、僕らは僕らのやるべきことをやるだけでした。アタックは継続、ディフェンスは前に出る。それだけでした」という。

創部25年目。京都でライバル伏見工(現京都工学院)を追いかけ、出場13度目の花園でついに決勝戦へ。ノーサイドの瞬間「よっしゃー!」と絶叫した湯浅泰正監督(56)は「もう選手もボロボロです」と、準決勝で4度目の正直を成した教え子をねぎらった。

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