2年連続3度目出場の恵庭南が鳥取中央育英(鳥取)をストレートで下し「春高」初勝利、全日本高校選手権としては02年度以来18大会ぶりの勝利を挙げた。昨年初の春高本大会に導いた前監督が昨年8月に退任したため、専門の指導者が不在の中、主将の記虎新太(3年)を中心に結束し、大きな1勝をつかんだ。

最後はエースが決めた。第2セット、24-18と6点リードで迎えたマッチポイント。セッター奥山永己(3年)のトスから記虎がバックアタックで締めた。記虎は「最後は俺にと話していた。狙い通り。昨年悔しい思いをしたので、1つ勝ててうれしい」と喜んだ。

全国大会はバレーボール指導資格を持つ指導者のベンチ入りが義務づけられており、小学生バレーの長沼kidsを全国大会に導いた実績を持つ記虎の母友美さん(43)が、今大会限定でベンチ入り。ラグビーで北見北斗を5度花園に導いている浅井邦昭監督(53)の指示は「最初のプレーに集中」「ミスしたときこそ声をかけあう」と精神面に集約。技術面を“臨時コーチ”に託した浅井監督は「記虎さんが細かく選手に助言してくれたことが、大きかった」と感謝した。

次戦の相手は昨年初戦で敗れた慶応(神奈川)。奥山は「昨年は競った場面でのパス回しに課題が残った。この1年やってきたことを出したい」。スクランブル体制の中、自主性を磨いてきた恵庭南が、昨年の雪辱を目指す。【永野高輔】

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