男女通じて今大会最年少「9歳78日」の大野颯真(鹿児島・ABBEY)が、シングルス男子ジュニア1回戦に登場した。

身長132センチ。体の半分以上が卓球台の下に隠れてしまう。それでも、19年の全日本選手権バンビの部で優勝した実力者だ。自分より30センチ以上背が高い中学3年の鈴木耕大に1-3で敗れたものの、第2ゲームは11-9で奪った。得意のバックハンドでラリーを展開し、ダイナミックなフォームからフォアハンドスマッシュも決めた。

初出場の男子ジュニア。感想を問われて「結構ドキドキしました」と言うが「相手が少し強かったです。ボールの力や回転力が強い」。卓球を始めた年齢を聞かれると「2歳11カ月」。その言葉遣い、堂々たる話しぶりはとても小学3年生とは思えない。

一気に子供っぽさも漂わせる。「身長はどれぐらいまで伸びてほしい?」と問われると「う~ん…150センチ」と超控えめ? に答えて、周囲の運営スタッフらの笑いを誘った。卓球以外に夢中なものは超人気アニメ「鬼滅の刃」。登場キャラクターの中では、身長220センチもある「悲鳴嶼行冥(ひめじまぎょうめい)」がお気に入りだ。

練習時間は平日3~4時間、週末は1日約7時間。夢の「オリンピック金メダル」に向け、憧れの東京オリンピック(五輪)代表・張本智和のようになれるよう頑張っていく。【加藤裕一】