スポーツクライミングのボルダリング・ジャパンカップが30日、東京・駒沢屋内球技場で開幕する。2連覇を狙う伊藤ふたば(18=TEAM au)は29日、24年パリオリンピック(五輪)に向け、本格始動したことを宣言した。

昨年12月には、東京五輪代表選考基準を巡る裁判の判決が下り、今夏の五輪への道が絶たれた。18歳のトップクライマーは、オンライン会見で「(東京五輪代表落選となったが)自分が周りに応援されていると実感した。くよくよしていられなし、気持ちを切り替えてパリ五輪に向けてトレーニングをしている。試合勘もなく不安もあるが、2連覇を狙いたい」と決意を示した。

最年少の14歳でボルダリング・ジャパンカップを制した。16歳でワールドカップ(W杯)などの国際大会を経験し、フィジカル不足を痛感。苦手だったパワー系の課題に対応するために、肉体強化を図ってきた。

岩手・盛岡中央高卒業後の今春から「プロクライマー」として、新たな一歩を踏み出す。パリ五輪では、東京五輪の実施種目とは異なるボルダリングとリードの2種複合が採用される。伊藤は既にこの2種目に照準を定め、「この大会はパリ五輪への再スタート。良いスタートを切りたい」と言葉に力を込めた。

今大会は緊急事態宣言下であるため、無観客で実施される。