高梨沙羅(24=クラレ)が今季初勝利を飾った。1、2回目ともにヒルサイズの90メートルを飛び、合計238・4点。2位と0・4点差で制した。男女歴代最多をまた更新する通算58勝目をマークした。前日5日のスーツ規定違反による失格から一夜明けて挽回の大ジャンプを見せた。

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高梨が今季初勝利を挙げた。1回目にヒルサイズの90メートルを飛んでトップに立つと、2回目も90メートルの好飛躍をそろえ、自身が持つW杯歴代最多を更新する通算58勝目。昨年3月のノルウェー・リレハンメル大会以来の勝利は、10シーズン連続勝利のおまけもついた。

前日5日、スーツの規定違反で1回目を終えたところで失格となった。W杯ポイントを獲得できず、個人総合は一時4位に後退したが、一夜で3位に再浮上した。試合後のインタビューでは「今日はチームにもサポートしてもらい、風にも恵まれて良かった」と笑って答えた。

今季は新型コロナウイルスの影響で開幕が延期になったが、急きょ開幕戦として行われた昨年12月18日のオーストリア・ラムソー大会で3位と好発進した。日本代表の開幕メンバーでは唯一帰国せずに欧州で調整を続け、1月31日の第4戦(ドイツ・ティティゼーノイシュタット)で2位に入り調子を上げていた。ヒンツェンバッハでは通算7勝目。蔵王の7勝に並び、自身最多勝利タイの好相性のジャンプ台となった。

22年北京冬季五輪まで1年を切った。今季は「自分のスタイルを確立すること」をテーマに取り組み、成果が出てきた。3度目の五輪で金メダルを目指す日本のエースが本格化してきた。

 

高梨沙羅の失格「スーツ規定違反」とは…原田氏解説