ジャンプ女子個人ラージヒル(ヒルサイズ=HS137メートル)で高梨沙羅(24=クラレ)が合計287・9点で13年バルディフィエメ大会以来4大会ぶりの銀メダルを獲得した。世界選手権の個人初の金メダルは逃したが「自分のやるべきこと、目標というかやらなきゃいけないポイントは押さえられた。もちろん結果を求められるのは間違いないけど、収穫の方が多かったと私は思う」と、悔しさは見せなかった。

終始条件としては難しい追い風が吹く中での試合だった。1回目は126メートルを飛んで4位。逆転を狙った2回目は高い飛び出しから134メートルまで距離を伸ばし、着地で踏ん張った。順位を上げ「こっちに来たなかで一番いいジャンプが飛べた。純粋にこの試合を楽しめたジャンプだった」とうなずいた。

女子の個人ラージヒルは世界選手権初開催だった。初代女王の座を狙った。だが、18年平昌五輪(ピョンチャンオリンピック)金メダリストのルンビ(ノルウェー)が2回ともにトップの得点をマークして優勝。高梨は8・7点差で敗れた。ノーマルヒルでは銅メダル。世界選手権6度目の出場で目指したビッグゲーム初の個人タイトルは手にできなかった。それでも前を向く。「反省点もありながらも自分の手応えをつかむことができた」と、理想のジャンプに近づきつつある自信があるからだ。

五輪前年開催の世界選手権と翌年の五輪の金メダリストは過去2大会ともに違う。金メダルは1年を切った北京五輪までのお預けだ。