日本財団パラリンピックサポートセンターが主催する「あすチャレ!スクール」が9日、宮城・石巻市の住吉中で行われた。講師にはシドニー・パラリンピック男子車いすバスケットボール日本代表キャプテンの根木慎志氏(56)が出席し、1年生78人と90分間、交流した。

同イベントはパラスポーツ体験型出前授業として、16年度からスタート。根木氏はライフテーマに「出会った人と友達になる」を掲げて、生徒らと明るく接した。「ネジー」コールと拍手が起こる中、シュートを華麗に沈めて会場を盛り上げた。中学生はその後、実際に競技用車いすに乗ってドリブルなどの基本的動作に挑戦し、鈴木謙吾君(1年)は「自分が思ったよりも方向転換が難しかった」と振り返った。

終盤には根木氏が約25分間講演。高校3年時に交通事故で脊髄を損傷して車いす生活になったが、知人の勧めで競技を始め、仲間の支えを受けながら当時36歳でパラリンピック代表に選出された。鈴木君は「目標を持つことの大切さを知った。くじけそうになったときに、今日の講演を思い出して頑張りたい」と誓った。根木氏は「学校生活で不安もあると思うが、『あすチャレ!スクール』の時間のように(友達を)応援して、励まし合いながらいろんなことにチャレンジしてほしい」と願った。【相沢孔志】