柔道のグランドスラム(GS)タシケント大会で優勝した東京五輪女子78キロ超級代表の素根輝(そね・あきら、20)が11日、オンライン取材に応じ、今春から実業団の強豪パーク24に所属することを報告した。

冒頭、「一部報道にあった今後の進路について」と自ら切り出し、「4月からパーク24に入社し、日大へ進学します。東京拠点なので出稽古先が多く、強くなる環境が整っています。日大は柔道に専念しながら勉強できると思い、パーク24には柔道優先で入学を認めてもらいました」と説明した。

素根は19年世界選手権、GS大阪大会と続けて優勝し、日本勢五輪代表第1号に内定。昨年7月に五輪覇者の古賀稔彦氏が総監督を務める環太平洋大を自主退学した。その後は母校の福岡・南筑高などで100キロ級以上の男子生徒を相手に稽古に励んでいた。

コロナ禍の影響でGSタシケント大会は、1年4カ月ぶりの実戦となった。試合を重ねる度に試合勘を取り戻し、手堅い組み手で盤石な戦い方を披露した。ライバル不在の中、海外勢の力強さも痛感し、内容には満足しなかった。「指導を取られた部分もあったので、それは五輪までに改善したい」と課題を挙げ、さらに精進することを誓った。

この日、東日本大震災発生から丸10年を迎えた。テレビの報道番組で当時の様子を見て、コロナ禍の現状も踏まえながら「普通に生活できることが当たり前じゃない。今、できることを1つ1つやりたい」と改めて柔道ができることに感謝し、4カ月後の初の夢舞台での金メダル獲得を宣言した。