フェンシング女子サーブル日本代表で、今夏の東京オリンピック(五輪)出場を確実にした江村美咲(22=中大)が、日本フェンシング界で初のプロ選手になる。

今月の大学卒業後、不動産業を手掛ける立飛ホールディングス(東京・立川)と所属契約を結ぶことが26日、発表された。4月9日に記者会見し、プロ宣言する。

一般的な社員採用、企業選手ではなく、競技に専念できる契約。海外遠征費など自己負担や不安が多い環境の中、練習と試合に集中できる前例となるべく、本人は「初のプロになって、未来のフェンシング界のために新たな道を切り開きたい」と決断したという。

江村の父宏二さん(60)も後押しした。現役時代は88年ソウル五輪男子フルーレ代表、指導者としては08年北京五輪代表監督。19年から立飛ホールディングスと連携し、ドーム立川立飛で地元の子供たちを対象にフェンシング教室を手掛けてきた。そこで江村が指導したことやスポンサー契約を受けてきた縁から、所属契約につながった。

国際フェンシング連盟は今月14日、サーブルの東京五輪出場権を争うランキングを更新し、個人で江村の初五輪が確実になった。父娘2代の五輪代表となり、大舞台をプロとして迎えることになる。

◆江村美咲(えむら・みさき)1998年(平10)11月20日、大分県生まれ。小学校3年で始め、中学進学を機にフルーレからサーブルへ転向。高校からJOCエリートアカデミーで学ぶ。中大法学部4年。14年ユース五輪(南京)大陸別混合団体金メダル。16年リオ五輪はバックアッパー。18年から全日本選手権2連覇。母の孝枝さんもフェンシング選手で、エペで世界選手権などに出場した。170センチ、60キロ。血液型A。